「社会を変える」お金の使い方

もう既に世の中はこの本の指し示す方向に動いていると思う。
これまで寄付というと、たしかに自分も著者(NPO法人フローレンス代表の駒崎氏)と同じく街頭募金ぐらいのイメージしかなかった。だが自分に余裕がある時だけ寄付をしてもらうという仕組みはもう古い考え方だとこの本で知った。
社会で助けが必要な人やことに対して微力ながら貢献したい、という一人一人の思いは昔からあったとは思う。しかしここ最近物を買うことでは充足感を得られなくなった私たち日本人が、社会問題に対して行動することで社会に貢献でき充足感を得られるという大きなモチベーションの変化がこの寄付に関しても追い風になっていることは間違いない。
あともうひとつは寄付を集める仕組みの進歩である。インターネットを通じて寄付を集める人と寄付する人があっという間につながることが可能となり、簡単な手続きで継続して寄付を集めることができる。
そう考えていくとこの本はこの大きな流れをさらに推し進めるための大きな道標となっていると思う。
「寄付は投資であり投票である」「企業にとっても寄付は意味がある」など、新しい考え方が示されていることも素晴らしいが、それ以上に未来をよりよい社会にしたいという著者の熱い思いがひしひしと伝わってきた。
未来の姿をしっかりイメージし伝えた上で今から私達がすぐできることも具体的に書いてあり今後多くの人々を動かしていく本だと思う。

「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付

「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付