成長の限界
環境問題について語るときには絶対に避けて通れない本。
400ページの大作で、地球の複雑な「人口-経済-環境システム」をワールド3というシミュレーションモデルを使って12のシナリオで未来を予測している。
既に本書の執筆された2002年には、「人類が持続可能ではない領域」にあることはほぼ明らかであったが、そこから幾つかのシナリオを通して今後の発展を詳細に書いてあった。
幾つかのシナリオについて書いてみると、、
シナリオ1である20世紀の成長政策を何も変更しないまま進んだ結果は、生活の豊かさが2020年をピークに下降する。工業製品やサービスの生産も落ち、食料や保健サービスも減退し、平均死亡率も上昇する。一番怖いシナリオである。
シナリオ4(入手可能な再生不可能な資源がより多く、汚染除去と土地の収穫率改善の技術がある場合)では、シナリオ1よりピークは50年ほど遅くなるが、その後は豊かさやその他数値が下降する。
シナリオ9(世界が2002年から人口と工業生産を安定させるという目標を取り入れ、かつ、汚染、資源、農業に関する技術を加えた場合)では、社会は持続可能となる。80億の人々が高い生活水準を保ちつづける。
どのシナリオになるかは、自分達が何を選択するかの違いだけだ。かなり大きな壁だけれど、越えられないことはないという感じか?
環境問題は、どれだけ地球レベルの視野で考えることができるか、だと思う。日本でもエコという言葉が流行っているけど、日本だけでは意味がない。地球レベルで他国と一致団結し動いていかなければ達成できない。
本書では次なる革命「持続可能性革命」が必要とかいてあるが、同感。まずは個人レベルから行動していきたい。
そのためのツールは、5つ紹介されている。
- ビジョンを描くこと。
- ネットワークをつくること。
- 真実を語ること。
- 学ぶこと。
- 慈しむこと。
本当に望ましい世界にするかは、リーダーシップ、倫理、ビジョン、勇気しだいである。それはコンピューター・モデルの特性ではなく、人間の心や魂の特性なのだ。
- 作者: デニス・メドウズ,ヨルゲン・ランダース,枝廣淳子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/03/11
- メディア: 単行本
- クリック: 38回
- この商品を含むブログ (34件) を見る